はじめに

高山DMO(飛騨・高山観光コンベンション協会)は、岐阜県高山市の観光マーケティングを担う組織です。

年間400万人以上の観光客が訪れる高山市において、データに基づいた意思決定は欠かせません。しかし、多くのDMOと同様に、高山DMOもデータ管理の課題を抱えていました。

課題:Excel地獄からの脱却

Before(導入前の状況)

プロジェクト開始時、高山DMOは以下の課題を抱えていました:

  1. 月次レポートの作成に3日かかっていた - 複数のExcelファイルから手作業でデータを集約
  2. データの定義が担当者ごとにバラバラ - 「来訪者数」の定義が3種類存在
  3. 過去データとの比較が困難 - ファイルが散在し、時系列分析ができない

After(導入後の成果)

DataBakeの支援により、以下の成果を達成しました:

  • 月次集計作業:80%削減(3日→半日)
  • データ定義の統一:100%完了
  • リアルタイムダッシュボード:24時間365日閲覧可能

技術アプローチ

データ基盤の設計思想

高山DMOのプロジェクトでは、以下の設計思想を採用しました:

[データソース] → [ETL処理] → [DWH] → [BIツール] → [ユーザー]

重要なのは、ツールの選定よりも「使える状態」を作ることです。

採用した技術スタック

レイヤー採用技術選定理由
データソースCSV/API連携既存システムとの親和性
ETLdbt変換ロジックの透明性
DWHBigQueryコスト効率・スケーラビリティ
BILooker Studio無料・学習コスト低

導入プロセス

Phase 1: 現状把握(1ヶ月)

まず、現状のデータ管理状況を徹底的に棚卸ししました。

  • 既存のExcelファイル一覧作成
  • データ定義の洗い出し
  • キーパーソンへのヒアリング

Phase 2: 基盤構築(2ヶ月)

次に、データ基盤を構築しました。

  • BigQuery環境のセットアップ
  • dbtによるデータモデリング
  • 自動データ取り込みパイプラインの構築

Phase 3: 可視化・展開(2ヶ月)

最後に、ダッシュボードを構築し、組織全体に展開しました。

  • Looker Studioでのダッシュボード構築
  • 操作研修の実施
  • 運用ルールの策定

成功のポイント

1. 小さく始める

最初からすべてを自動化しようとせず、最も効果の高い月次レポートから着手しました。

2. 現場の声を聞く

ITの専門家だけでなく、実際にデータを使う現場スタッフの意見を重視しました。

3. 継続的な改善

導入して終わりではなく、月次のふりかえり会で継続的に改善しています。

まとめ

高山DMOの事例は、ツール導入だけでなく「使える状態」を作ることの重要性を示しています。

データ活用は一朝一夕には実現しませんが、正しいアプローチで着実に進めることで、組織全体のデータリテラシー向上と意思決定の質向上を実現できます。

よくある質問

Q1DMOのデータ活用で最初に取り組むべきことは?
Aまずは現状のデータ管理状況の棚卸しから始めます。どこにどのようなデータがあるか、誰がどのように使っているかを可視化することが第一歩です。
Q2導入にはどれくらいの期間がかかりますか?
A規模にもよりますが、基本的なダッシュボード構築まで3-6ヶ月、組織への定着まで含めると6-12ヶ月程度を見込んでいます。